今日の小ネタ①(10/7)「マーケティングの神様、コトラー先生」
リサーチコースの活動では、冒頭の10分間で「今日の小ネタ」と題し、プレゼンの機会を設けています。
「今日の小ネタ」は、「今、気になっていること」、「みんなに知ってもらいたいこと」を代表者が発表して、みんなに様々な分野に関して興味を持ってもらおう!というものです。
第1回(10/7)のテーマは、ズバリ「神様」です。
神様といっても、ギリシアの神々や天照大神のことではありません。
今回扱った「神様」とは、我々が日々学んでいる「マーケティング理論」の「神様」、そうです、フィリップ・コトラーです。
コトラー先生は、マーケティング理論の第一人者です。マーケティングを学び、実践する私たちにとって、知らなければならない学者の一人ですよね。
彼の理論で有名なのものとして、「STP分析」が挙げられます。
「STP分析」とは、「セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング」の頭文字を取ったもので、ビジネスを行う際、「市場をいくつかのセグメントに分けて、自社が有利に戦えそうな特定部分を選び出し、選ばれたターゲットに対して、明確なブランド・ポジションを規定する」ことの重要性を説いたものです。
マーケティング学習者やビジネスコンテスト出場の経験がある人には馴染深いものですよね。そんな身近な理論を提唱したのがコトラー先生です。
また、コトラー先生が提唱している「マーケティング3.0」についても紹介しました。
コトラー先生によれば、マーケティングとは時代によって、その性質やポイントは変化しています。
具体的には、「作ったものをどうやって売るか」を考える製品主導のマーケティング(マーケティング1.0)、「どうすれば売れるものをつくれるか」を考える消費者志向のマーケティング(マーケティング2.0)、そしてマーケティング3.0です。
普段、私たちが勉強しているはマーケティング2.0ですが、マーケティング3.0とは果たして何なのか。
マーケティング3.0とは一言でいうならば、ずばり「価値主導のマーケティング」です。つまり、企業が消費者に対して、企業のビジョンやミッションを提示し、消費者が感動したり共感したりすることを目指します。消費者は「自分たちのニーズを満たす製品やサービスだけでなく、自分たちの精神を感動させる体験やビジネスモデルを求めている」と彼は述べています。
コトラー先生は価値主導のマーケティングにおいて重要なポイントを3つあげています。①協働、②文化、③精神です。
協働とは、企業活動における消費者参加の重要性を表します。SNSで口コミなどの積極的な発言が可能になった消費者を、企業は無視することが出来ません。消費者の「参加」「協働」が求められています。
文化とは、グローバル化による異文化理解の重要性を表します。企業がグローバル展開する際は、ローカルを味方につけ、それらの接点を模索することがもとめられます。
最後に、精神とは、消費者の共感・納得を得ることの重要性を表します。社会に対して「世界をより良くする」というメッセージを訴えることが求められています。
ソーシャルメディアの浸透により、企業と消費者、消費者と消費者のコミュニケーション方法が変化し、またグローバル化による企業の海外展開も積極的な現代において、マーケティングも新たな展開を見せています。
今回はコトラーという切り口でマーケティングについて考えてみました。
これを機会に、もう一度「マーケティングって何だっけ?」ということを考え、その重要性を再認識したいと思います。
(参考資料)
・尾上伊知郎他『ベーシックマーケティング』2010 同文館出版
・関一則他『戦略・マーケティングの名著を読む』2015 日経文庫